2015年6月15日月曜日

ホスピスボランティア【さきがけ新報のコラムから】

先日の秋田さきがけ新報の「えんぴつ四季」に当院のホスピスボランティ

アの方が、ホスピスボランティアの様子を投稿しておりました。

普段の病棟の雰囲気がとてもよく伝わる文章でしたので、ご紹介します。

 

ホスピスボランティア

快晴。朝から少し緊張している。今日は週1回のホスピスボランティア活動

の日だ。

エプロンと名札を着けると私は「活動モード」に切り替わる。ラウンジに向

かい、BGMをかけてコーヒーを沸かした。10分もしないうちに病棟が香り

に包まれる。病室からSさんが登場。「コーヒーの香りに誘われて出てき

た。1杯ごちそうしてけれ」。おいしそうに飲み、目を閉じて音楽に耳を傾け

ている。

 Aさんの病室に行き、花の水替えをした。「あえー、きれいな花っこ。家で

も咲いているなあ。だどもきっと草だらけだべなあ」

 次にコーヒー好きのTさんの病室へコーヒーを届ける。「来た来た、いつ

もありがとない。ところで田植えは終わったべが。昔は米作り楽しかったな

あ。作れば作るほどお金になったもんだ」。収穫の喜びを語る。

 Hさんの病室から、民謡の「おこさ節」と「秋田節」が聴こえてきた。以前

一緒に歌った時に「演歌じゃないからそんなにコロコロこぶしを回すと駄目

だ」と叱られた。この方の民謡は天下一品だ。

 優しい物静かなMさんは、親、兄弟、子どものこと、自身の育った環境な

ど淡々と話す。退出時には決まって「長い間、おえの話っこ聞いてくれて、

ありがとない」と手を握ってくれる。

 ここでの時間は緊張の連続だが、なぜか心地よく、元気を頂く。そして自

分らしく、素直に、感謝しながら生きることの大切さを教えていただく。また

来るよ、と心でつぶやく。今日もありがとう。


緊張感の中、日々の出会いに感謝されているボランティアさんの気持ち

が伝わってくる素敵な文章ですね。

ホスピスはこんなボランティアさんに支えられています。