アの方が、ホスピスボランティアの様子を投稿しておりました。
普段の病棟の雰囲気がとてもよく伝わる文章でしたので、ご紹介します。
ホスピスボランティア
快晴。朝から少し緊張している。今日は週1回のホスピスボランティア活動
の日だ。
エプロンと名札を着けると私は「活動モード」に切り替わる。ラウンジに向
かい、BGMをかけてコーヒーを沸かした。10分もしないうちに病棟が香り
に包まれる。病室からSさんが登場。「コーヒーの香りに誘われて出てき
た。1杯ごちそうしてけれ」。おいしそうに飲み、目を閉じて音楽に耳を傾け
ている。
Aさんの病室に行き、花の水替えをした。「あえー、きれいな花っこ。家で
も咲いているなあ。だどもきっと草だらけだべなあ」
次にコーヒー好きのTさんの病室へコーヒーを届ける。「来た来た、いつ
もありがとない。ところで田植えは終わったべが。昔は米作り楽しかったな
あ。作れば作るほどお金になったもんだ」。収穫の喜びを語る。
Hさんの病室から、民謡の「おこさ節」と「秋田節」が聴こえてきた。以前
一緒に歌った時に「演歌じゃないからそんなにコロコロこぶしを回すと駄目
だ」と叱られた。この方の民謡は天下一品だ。
優しい物静かなMさんは、親、兄弟、子どものこと、自身の育った環境な
ど淡々と話す。退出時には決まって「長い間、おえの話っこ聞いてくれて、
ありがとない」と手を握ってくれる。
ここでの時間は緊張の連続だが、なぜか心地よく、元気を頂く。そして自
分らしく、素直に、感謝しながら生きることの大切さを教えていただく。また
来るよ、と心でつぶやく。今日もありがとう。
緊張感の中、日々の出会いに感謝されているボランティアさんの気持ち
が伝わってくる素敵な文章ですね。
ホスピスはこんなボランティアさんに支えられています。