緩和ケアの領域で、よく使われる用語に「レスキュー」という言葉があります。
これは、がんなどの痛みに対して、持続性の鎮痛薬を使っていて、大抵の時間は痛みが緩和されていても、時折、痛みが発作のように強くなる場合に、速効性の鎮痛薬で対応することです。
「レスキューを使う」とか言います。
レスキューに使われる鎮痛薬には、速効性の飲み薬(飲んでから効果が出るまで10分くらい)や舌の裏に入れる舌下錠などがあります。
入院していれば、先日紹介した持続注射をしている場合には、写真のような携帯型の持続ポンプにレスキューボタンを付けて、痛みが強くなったら、患者さん自身でボタンを押して鎮痛薬を早送りできるシステムがあります。
もちろん、医師の適切な調整のもと、安全な量だけ鎮痛薬が注入されるように制御されています。
鎮痛薬の携帯型持続注入ポンプ
レスキューボタン
この方法だと、痛くなってから、「ナースコールを押す⇒看護師に来てもらう⇒鎮痛薬を準備する⇒注射してもらう」という一連の時間、痛いままで過ごさなくても良いという利点があります。
ついつい、ナースコールを押すのは申し訳ないと思って(そんなことは決してないのですが・・・)、痛みを我慢してしまう場合がありますが、これであれば、自分でレスキューボタンを押せるので我慢せずに済みます。
ちなみに、これらの鎮痛薬の使用方法、レスキューの選択の仕方は、その患者さん毎に適切な方法がありますので、すべての方に合う方法ではないことにご留意願います。